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労働審判ほか個別労使紛争の解決機関

2009年04月13日 14:55

労働契約の個別化が進み、働く人1人1人と会社との間でのトラブルが増えています。

それに対して、主に1人でも誰でも入れる労働組合・ユニオンが対応してきました(ユニオンぼちぼちもその1つです)。

現在、そうした個別労使紛争を解決するための行政や司法のシステムも整備されつつあります。例えば労働審判制度などですが、他にも色々あるので整理したいと思います。

■司法
□裁判所

・個別的労使紛争に関して最終的解決を強制的に導いてくれる唯一の制度
・地方裁判所における民事訴訟
・簡易裁判所における140万円以下の民事訴訟、60万円以下の金銭の支払に関する少額訴訟、民事調停、支払督促も利用されている

□労働審判制度
労働審判法にもとづき2006年4月1日より運用を開始
日本で初めての裁判所に設けられた労使紛争解決のための特別の手続き

基本的な特徴
①労働審判委員会
 事件を整理し、調停、審判を行う。
 裁判官が務める労働審判官1名と、労働関係に関する専門的な知識経験を有する者として労働者側と使用者側から各1名ずつ選出される労働審判員2名によって合計3名で構成される。
迅速な手続
 特別な事情のないかぎり3回以内の期日で終結するものとされる(労働審判法15条)
 3~4ヵ月での解決を想定
 第1回期日(申立の日から40日以内の日に指定される)
  「利益調整型調停」「判定的調停」
 第2回期日(第1回期日から「2、3週間から1ヵ月程度」の後に開かれる)
  調停成立=「裁判上の和解」と同一の効力を有する
  調停案が拒絶された場合は審理を終結し、調停案とほぼ同一の内容の「労働審判」を下す
 第3回期日(調停作業の続行や調停受託のための考慮期間が必要であると判断したとき、第2回期日から「1、2週間程度」の後に開催)
 調停案が受託されないときは審理を終結し「労働審判」を下す
③柔軟な手続
 委員会は、審理が終結するまでは必要に応じていつでも調停による解決を試みることができる
④訴訟手続への連携
 2週間以内に適法な異議申立を起こった場合、労働審判は効力を失い訴訟手続に移行する

■行政
□労政主管事務所

・労政主管事務所は地方自治法附則4条2項にもとづく都道府県知事の任意設置機関
 東京での名称は「労働相談情報センター」、神奈川は「(商工)労働センター」、大阪は「総合労働事務所」、福岡は「労働福祉事務所」である。
・労働相談のみならず「斡旋」も行っている

□地方労働委員会
・労働委員会は労働組合法にもとづき設置されている
・従来は集団的労使紛争のみを処理してきたが、2001年4月より個別的労使紛争の斡旋(・相談)を開始

□都道府県労働局(厚生労働省)

・1998年10月1日から「紛争解決援助制度」を行ってきたが、個別労働紛争解決促進法(2001年10月1日施行)にもとづき、総合労働相談、労働局長による助言・指導(・勧告)及び紛争調整委員会による斡旋(・調停)を開始

■民間
弁護士会紛争解決センター
・民間の裁判外紛争解決機関(ADR:Alternative Dispute Resolution)

今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方

2009年03月28日 11:22

厚生労働省の開いてきた「今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会」の報告書ができたそうです。

その中の一部を引用します(強調は引用者)。

 このような調査結果を踏まえ、先行研究では、本当に知識を必要としている人と実際に知っている人との間で「知識のミスマッチ」がある、との指摘がなされている。例えば学歴が高くない者や中小企業で働いている者あるいは卒業後の進路がフリーター又は未定である学生・生徒など、現在相対的に低い労働条件で働いていたり、将来的に相対的に低い労働条件になる可能性が高い人ほど、必要な知識を理解していない可能性が高いといった指摘である。

 さらに、労働者の権利を「知っている」ことが権利を守るための「行動」に直結するとは限らないことも指摘されている。すなわち、労働者の権利が実際に守られるためには、法律で定められているだけではなく、まずは労働者自身が自分の権利について理解し、その上で権利を行使できなかった場合や不利益な取扱いを受けた際にそれが違法であることに気付き、さらに権利を行使する手段が活用できることが重要ではないかとの問題提起がなされ ている。

 なお、先行研究では、労働者の権利を「知っている」ことが「行動」に直結するとは必ずしも言えないが、意識や考え方には影響を与えている可能性が高い点もあわせて指摘されている。例えば、労働者の権利を知っていることが、権利実現の意識を高め結果的に組合の必要性や組合支持を高めるのではないか、社会保障の必要性に関する意識を高めるのではないか、有給休暇に対する法知識が休日・休暇に対する満足度を高めるのではないか、といった指摘である。


◆今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会報告書
 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/02/h0227-8.html
 今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方については、「今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会(座長:佐藤博樹東京大学社会科学研究所教授)」において、平成20年8月より6回にわたって検討が行われてきたところであるが、今般、別添のとおり同研究会の報告書が取りまとめられたので公表する。

(別添)
・今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会報告書
 1~9ページ(PDF:402KB)、 10~33ページ(PDF:443KB)、 全体版(PDF:732KB)
・参考資料集 全体版(PDF:4,549KB)

離職票を会社が出さないと言って困っています

2009年03月25日 18:52

相談】会社が離職票を出さないと言って困っています。
【回答】会社の言っていることは違法です。


雇用保険法施行規則第17条は、離職票の交付について以下のように定めています。
「公共職業安定所長は、次の各号に掲げる場合においては、離職票を、離職したことにより被保険者でなくなつた者に交付しなければならない。」
公共職業安定所から受け取った離職票を会社は必ず労働者に渡さないといけません。

また、会社(事業主)は退職日の翌々日から数えて10日以内に、「雇用保険被保険者資格喪失届」と「離職証明書」を公共職業安定所に提出しないといけません(雇用保険法施行規則第7条)

「雇用保険被保険者資格喪失届」と「離職証明書」には、あなた本人が署名することになっています。
そのとき「離職理由」も確認をして下さい(「離職理由」を最終的に判定するのは職業安定所長です。異議がある場合は申し出ることができます)。

提出後、会社に「雇用保険被保険者離職票」(離職票の正式な名前)が届き、あなたはそれを送ってもらうか受け取りに行ったあと、公共職業安定所で「求職の申込み」を行ったのち、「離職票」を提出します。
この手続きが終わると、公共職業安定所から給付の「受給資格者証」が交付されます。

辞めたいけど、辞められるのかな?

2009年03月25日 17:42

最近、退職についての相談をよく受けるので、
その内容を簡単にまとめたいと思います。

【相談】会社の労働条件がヒドすぎるから辞めたいんやけど、
辞めたいって言ったら辞められるんかな?

【回答】辞められます。

労働者には職業選択の自由があるので、退職も自由です。
 
期間の定めがない雇用の場合について、民法第627条は以下のように定めています。
「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。」

「辞めてもらっては困る」「退職の場合は会社の許可がいると就業規則に書いてある」と言われても、退職願を出したら2週間後に雇用契約は終了します。

契約期間の定めがある場合、民法第628条は以下のように定めています。
「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。」

この場合の損害賠償の額ですが、労働基準法第91条が定めた上限を超えることはありません。
「第91条 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。」
また、会社は勝手に天引きすることはできず、賃金を全額支払った上で、請求する必要があります


そして、「途中で辞めたら罰金」といった決まりは労働基準法第16条で禁止されています。
「第16条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」

就業規則について

2009年03月13日 23:48

懲戒処分のところでも触れた就業規則について。

就業規則は、職場の決まりや労働条件についてのルールです。
しかしルールとしての強さは、
憲法>労働法>労働協約>就業規則>個別契約
労働基準法以下の条件の就業規則は無効になります。

正社員やパートの区別なく常時10人以上の労働者を使用している使用者は、必ず作らないといけないことになっています(労働基準法89条)。

そして必ず書かないといけないことと必ずしも書かなくてもいいことがあります。
必ず書かないといけないことは
●始業・終業時刻、休憩時間、休日、休暇、交代制勤務の交代要領に関すること
●賃金の決定・計算・支払い方法、賃金の締め切り日・支払い時期、昇給(臨時の賃金などを除く)に関すること
●退職に関すること(解雇・定年制など)
*「解雇の事由」を必ず書かないといけません。
就業規則に定められていない理由による解雇はほとんどの場合、無効とされます。

また、就業規則の内容は労働者に知らせなければいけません。
とはいえ、「就業規則を見せて」とは言いにくいものです。
言い方は色々考えられますが、ケースバイケースなので、
不安な方はユニオンにご相談下さい。



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